色なき風に誘われて、パティオは紫の共演
暑さもピークを過ぎて吹く風にもちょっとした変化が感じられるようになりました。パティオに吹く風も少し爽やかさが感じられるようになり、素肌に触れる秋の気配を実感しています。
それを待っていたかのようにパティオの植栽たちはいっせいに紫の花や実をつけています。まずは日陰にひっそりと目立たなかった「ヤブラン」の花。紫色の可憐な花が、光を目指して真っすぐに伸びています。日陰でじっと力をためて、ここぞとばかり力一杯に自己主張しているようですね。
微細な花の集まったタワーがたくさん並んで、紫の絨毯のようですね。やがてこの小さな花の一つ一つがとても小さな緑色の実をつけて、秋が終わるころには濃い紫色の大きな実に成長していきます。
つづいて「ムラサキシキブ」の実。光沢のある紫色の小さな実がまとまって、葉の付け根あたりに手毬のようにつけるのが特徴です。赤い実をつける樹木は多いですが、紫色の果実をつけるものはそうないでしょう。
これは別の画像ですが、ムラサキシキブの花で、6月、淡い紫色の可憐な花びらをつけた様子です。3か月ほどで濃い紫の実に大きくなりました。
華美ではありませんが、存在感は抜群のヤブランとムラサキシキブ。パティオを彩る植栽の中でもこの紫の共演は、秋をよぶ色なき風のささやきとして私たちの耳にも届くでしょう。